夢を叶え未来を紡ぐレストラン

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.62

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

パスタ&ピザガーデン マジョラム オーナー
政本 浩
Hiroshi Masamoto

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU   TEXT BY TANAKA YUKIKO


山の中で暮らす夢

山梨県北杜市、旧小淵沢町エリアは大手リゾートホテルの進出や道の駅の整備をきっかけに大変な賑わいを見せている。ここに店を構えるイタリアンレストラン「パスタ&ピザガーデン マジョラム」は、小淵沢エリアが注目される以前からその味で多くの人を魅了してきた。脱サラで料理の道に飛び込んだ政本オーナー。政本さんがこのエリアに求めていたもの、レストランのこれからについてお話を伺った。


移住そしてイタリアンとの出会い

北原ジャクソン友[以下、北原]:オープンして24年。立ち上げからのお話をお聞きしたいと思います。

政本浩さん[以下、政本]:24年、あっという間で信じられないくらいです。
出身は香川県、22年間、損保会社でサラリーマンをやっていました。料理は好きだけど、たまに家で炒飯やお好み焼きを作るくらい。サラリーマン時代、東京本社から長野支店に転勤してきました。東京の聖路加タワーから長野市のギャップが大きく、もう楽しくて楽しくて。30分も車で走れば大自然があるんでね。こんなところで生活したいという思いがどんどんどんどん強くなって会社をやめました。
長野支店で担当した大口契約者が、イタリアンレストランも兼業していて、そこにしょっちゅう飲みに行ったり食事に行ったりしていたんです。そこでイタリアンの奥深さに気づき、イタリア旅行に行ったりして、最終的にはそこで修行していました(笑)。ここの味はそこのイタリアンレストランの味なんですよ。
長野が気に入ったのはもちろんですが、当時小学生だった娘にとって長野は3つ目の転校先だったんです。もう転校させたくないという思いもあって、山の中に永住したいと思いました。

理想の土地と建物でいざオープン

北原:お店を作るぞっていうときにうちの会長と出会われたんですね。

政本:お店を建てるならいろんな設計士さんを見てみたいと思っていたんです。非常に精密な模型を作ってくれる方とかもいたんですけど、お宅の会長に会って話をしたら、ちゃっちゃっとイラストを描いてくれて「こんな感じでどうですか?」って。そうしたらもうイメージ通り! そのイラストに一目惚れしてしまって、もう模型のことは頭になくなって、「お願いします」と言っておりました。

北原:そう言っていただけると会長も喜びます。そして運営スタートされたんですね?

政本:料理の味は修行先のイタリアンレストランのものを再現したので、おいしいと言ってもらえたんですよ。
でも初日のランチタイムが一気に満席、1時間以上お待たせしたお客様もいてパニック状態。それでスタッフ募集したところ、パン教室の先生があっという間にピザを習得してくれた。そうしたら回せるようになって、そこからだんだんという感じです。

北原:お店を始める際のコンセプトはなんだったのですか?

政本:店のコンセプトというより、ここで暮らしたい。山の中で暮らしたいそれが一番でした。ここに決めるまでにはいろんな場所を見に行きましたよ。軽井沢や白馬、房総の方にも行きましたし、伊豆高原なんかも。伊豆高原って、雨でも人がゾロゾロ歩いてるんです。ここならお客さんは入るだろうなとは思った。でも高原だけれども山の中ではないし、生活はつまらないなと思ったんです。その点ここは冬になったら人はいないし、当時は雪もよく降っていた。ここだったら広い土地が買えるっていうのも大きかったですね。軽井沢や伊豆高原だとほんと狭いとこしか買えない。せっかくならのびのび生活したかったんです。県境はちょっと超えちゃってるけど、長野だと思っています。

長年の悩みから
救ってくれた娘たち

北原:今は娘さんたちもご一緒に仕事されているんですね。

政本:とにかく人手不足で困っていて。特にここ数年どうしようもなくって、弱気になって相談したんです。娘たちもそれぞれ希望する仕事に就いていたから絶対無理だと思っていたんですけど、最初に上の子が、その半年後には下の子も来てくれた。想像はしてなかったですけど、ハッピーエンドですね。

北原:これからどんな展開が待ってるんでしょうか。

政本:いまはもう娘たちの時代なので、私の想いは極力語らない。創業者は黙って見守るだけ。娘たちもいろいろ考えています。これからは売上だけを優先するんじゃなくて、家族やスタッフたちのライフスタイルを大切にしていく時代かなという気がするんです。どんな形であれ、このお店が残ってくれるだけでいいかなと思っています。


I N F O R M A T I O N

パスタ&ピザガーデン マジョラム
〒408-0044
山梨県北杜市小淵沢町1558-5
tel.0551-36-4620
Web:marjoram-kobuchizawa.com
Instagram:kobuchizawamarjoram

>“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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