人に寄り添い、肌と向き合い、癒しのひとときを届ける。

[VOL.31]
Interviewee
みなづき | 西澤 知世里さん

TEXT BY TANAKA YUKIKO


茅野駅からほど近くも少しだけ奥まった場所にあるエステティック「みなづき」。扉を開けると、ドライフラワーを使った照明や温もりを感じる家具と雑貨に囲まれた、やさしい空間が迎えてくれる。
心と体をときほぐし、お肌や身体の声にそっと寄り添うエステティシャンという仕事。その道を自分の天職として、大切に歩んでいるのが西澤知世里さんだ。
西澤さんが20数年のキャリアの中で見つけた、エステティックという仕事の魅力、そして日々大切にしていることを伺った。


正しく美しくあること

大学進学を機に京都に行って、そのまま就職をしました。たまたま手に取った転職雑誌に美容特集が組まれていて、エステサロンの求人が目に留まったんです。当時は、エステというと高級でセレブが通うものというイメージでしたが、私自身がひどいニキビに悩んでいて、飛び込んでみたら解決のヒントがあるかもしれないという気持ちもあって…大手美容会社の面接を受けてみました。
入ってからはひたすら勉強の日々でした。とても厳しい先生で、私のニキビだらけの顔ではサロンに配属できないと言われました。授業ではニキビの見本にされるくらい。でも授業が終わると、とても親身に面倒を見てくれて、先生がおっしゃるとおりのケアをしていたら、あんなにひどかったニキビが出来にくくなったんです。
その時、エステが「なんとなく気持ちのいいもの」から、「正しい施術と知識があれば効果があるもの」へと認識が変わりました。そして学ぶことすべてが、女子だったら知っていて損はない!と思えることばかりでこの道に進もうと思いました。

深く、そして長く向き合いたい

26歳で茅野に戻ってきて、市内のサロンでエステティシャンとして働き始めました。2年後には蓼科にあるホテルに、エステルームを新設する企画にお声をかけていただき、それを機に独立。ただ場所柄お客様のほとんどは観光客で、一見さんばかりだったんです。そこで仕事をするうちに、自分がやりたいことは、もっとじっくり長くお客様の肌を見ていくことだと気づき、個人でサロンを構えることになりました。
生活の拠点を一時神奈川に移し、約10年ほど経験を重ね、地元に戻ってきてしばらくは、洋服や雑貨のお店を運営していました。その片隅にエステルームを設置したんですが、以前通ってくださっていたお客様や新しいお客様が少しずつ増えていって…そこで改めてエステティックが好きという気持ちに気づきました。雑貨の仕事も楽しかったんですけれど、お客様と一対一で深く対話できる時間を、大切にしたいなと思ったんです。
2023年7月には今の場所にお店を移して、今はフェイシャルと脱毛のメニューを中心に施術を行なっています。この建物はもともと学生寮だった場所で、個室がたくさんあるので、私のほかにネイルや鍼灸などのサロンが入っています。お客様の中にはハシゴをしていかれる方もいるんですよ。

おしゃべりが心を癒す

私ってエステティシャンにしては施術中によく喋る方だと思うんですよ(笑)。でも案外悩んでいることと体や肌の状態ってつながっている気がして。お客様のお悩みを聞いていると、ああ、こういうことが肌の状態につながっているんだなと感じるんです。手で肌に触れて施術をすると、お客様の心が開かれていく感触があります。身近な人にはなかなか話せないことってあると思うので、そういうものを吐き出してもらえたら、より肌も心も軽くなるのかなと。私自身、歳を重ねてきたことで、加齢や更年期からくるお肌のゆらぎや身体の不調などを体感し、お客様が悩まれることを肌で感じられるようになりました。この歳になったからこそ、いろんな世代のお客様に、よりご相談していただきやすくなったのではと感じています。

今後は、後進の育成も出来たらと考えています。お肌やダイエットなど美容についての正しい知識を若いうちに身につけてもらい、エステティックの魅力を沢山の人に知ってもらいたいです。エステティシャンはまだ国家資格がないので、もしかすると知識や経験の無い人がエステティシャンと名乗って施術をしているかもしれないという怖い一面もあるんです。皮膚科学と化粧品学等の知識をしっかり学び、独立をする前に沢山の経験値を踏んでエステティシャンになって欲しい、そう考えています。


I N F O R M A T I O N

みなづき
〒391-0005
茅野市仲町10-2
lit.link/eminazuki

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“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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