ima-Zine編集部座談会
REFLECTION 2025
2025年、出逢えたヒト・モノ・コト。
そんなBEATたちを振り返って。
李:みなさん、一年お疲れさまでした。イマジンの2025年、いろんな人と出会い、いろんなシーンがあったと思う、ONTHEBEATという企画で。このBEATというのは街を揺さぶって変えていける可能性をもった、そんなヒト・モノ・コトのこと。まだまだ知られていないそんなBEATがこの街にはたくさんあるんじゃないか、そう信じて、そこにスポットを当てるために取り組んできたよね。まあ、ざっと振り返ってみて、今年のBEATたちの中でどんなものが印象に残っているのか。自分が担当した号はもちろん思い入れがあるだろうけれど、またそれ以外でも、これは心を揺さぶられた!ってものを自由に話してゆければいいかなと思う。まずぼくから話しちゃうと、良かったなあとしみじみ思ったのは、63号の「ESCAPETHEORY 元気な逃走論」。 東京だったりいろんなところで、ある意味負けて逃げだしたっていう人たちがこの街にやってきて、たとえばこの主人公である小林さんがこの土地に棲みつく中で、逃げたっていいじゃないかっていうところにたどり着く。つまり、そう思わせてくれるような街だったっていう、この街にはそんな懐、余白があるんだということを示してくれたように感じて。ぼくが常々思うのは、逃げずに立ち向かえってみんな言うけれど、時には逃げたっていいじゃん、逃走していいんだっていうことで、こう、それを許してくれる街って良い街なんじゃないか、元気な街のあり方のひとつなのかもしれないないな、なんてすごく心に響いたんだ。
河西:ぼくは、57号「BRAVENEWCITY」。
大島:わたしも、諏訪東京理科大の学生特集、良かったなあって。
河西:身近にいる人たちなんで、全然フォーカスしてなかったんだけど、やっぱりね聞くとこう未来を感じるなみたいな、すごくね新鮮だった。本当にリアルで些細なこともいろいろ話してくれたりとか。こう、最初ね、嫌がれるかなみたいに思ってたけど、学生たちもノリノリとは言わないまでも、なんか愉しんで取材を受けてくれたし。そしてね、話を聞いてて、だいぶ昔とはこう様相が変わっていて。
李:卒業生としては。
河西:うん。昔はもっとこう平々凡々な大学だったけど、今はかなり宇宙工学とか力が入ってて、有名な先生もいて、その教えを受けたくて種子島の方から来てる子もいたりとか。あとはゲーム開発をしたいみたいな子もいたりとか。
李:そっか、じゃああれだね、河西くんが通っている頃よりも、なんていうか、誇らしい学校になっているんだね。
河西:そうそう。全然偏差値もいま上がってるんじゃないかな。
李:いまはわざわざ諏訪東京理科大に入りたくて、他の地方から来てる人たちも多いんだね。
河西:だからこういう企画は定期的にね、世代もどんどん変わってゆくから。若者にインタビューするっていうのはなかなか面白い企画だったなと思ったのと、これは大学生だけじゃなくて高校生でもいいのかなと思ったりもした。
李:そうだね。彼らは街を変える一つの大きな力だし、若い力にスポットを当てる企画はつづけてゆきたいね。
岩波:高校だけじゃなくて専門学校とかいっぱいあると思うんですよ。他のジャンルでも医療とかいろんなところ。自分たちが学生だった頃とは全く世界も世の中も変わってるから、本当、幅広い分野の理科とか科学とかを学んでいる子たちの話を聞くのも楽しいし、社会に出たらどういうことするのかっていうのもね、その学校によって全然違うから。いろんな学校とコラボしたらいいんじゃないかなって思います。
河西:大島さん、実際これインタビューしたから、そこら辺の温度感というか、体感したものを聞いてみたいけど。
大島:まずやりたかった企画ができて嬉しかったのと、若い子たちと関わることって本当に社会人になるとなくなっちゃって、何してるかわからなかったんで、それを聞けたのも嬉しいし、どちらかというと自分はまだ若い者側でいる気持ちだから、一緒になって大人の人たちにもっとこういう街になってほしいとかを、考えて伝えられる場になったらいいなと思ったので。それを茅野市のサイトに紹介してもらったんですよね。
河西:サイトというか、資料になってたね。プレゼン資料に。
大島:それがすごく嬉しいなと思って、声を届けられたのかなって。こういう企画をどんどんやっていきたいなと思いました。さっき岩波さんが言ったように、今度は別の学生、農大生とかもいいかなと思うし、もっと街の人の声を聞いて、それをここで伝えられるようなこともしたいなって思いました。
岩波:わたしがこれ行ったから、59号の昔からずっとやってるお祭り。「祭りのあとさき、このさき。ずっとさき」。本当に子供の頃からずっと受け継がれていって、昔から、この先もつづいてゆくであろうお祭りとか、そういう文化ものの企画もいっぱいしていったらいいんじゃないかなってやっぱり思いました。
李:そうだね。言わば風景になりすぎてて、若い人たちがその奥深さや良さにまだ気づいてない文化へ、もう一度目を向けられるようにする。それもまたイマジンの仕事なんだろうね。
大島:なんか、いつも作って終わりってわけじゃないですけど、62号「おしゃべりな手。やさしい手」を出した時に、取材させてっもらった知世里さんがすごくこのタイトルが好きって。
岩波:すごく気に入っちゃって。欲しいと言ってる方がいて、もっと配りたいからって、何度か取りに来てくれて。嬉しかった。
街の解像度を上げてゆくこと。
もっとこの街が誇らしく思えるように。
李:うん、このイマジンを介して、ぼくらが街の人たちと関わる、そういう喜びだよね。取材先の反応もそうだし、市民の、読者の反応もそう。じゃあ改めてこの街にとってイマジンってなんなんだろう。いまどんな存在なんだろうね。どうあるべきかでもいいんだけども。ぼくがやっぱりパッと思うのは、イマジンっていままで気づかなかったこと、街の人たちには当たり前すぎて、もうあまり気にも留めてないこと、だけど素晴らしいこと、さっきの学生たちの夢もそう、イマジンでやることによって、読んだ人たちはもちろん、取材を受けた人たちまでも、自分たちにそんな価値があったのか、と自分でまた再認識してもらえて、イマジンの取材、特集を通じて、この街をまた別
様の角度から眺めることができるようになって、少しだけ
日常が愉しく変わる、そんなきっかけになるようなメディアであったらすごく素晴らしいんじゃないかなと思った。街を変えてゆく。でもそれは大きな力じゃない、ちっちゃな力でちょっとずつ変えてゆく。そのためにぼくらは違った角度で街が見えるようなきっかけを創ってゆく。なんていうふうにぼくは思ったりするんだ。みんなはどう思う?
河西:茅野の解像度を上げてゆく。もう本当に知らないことがいっぱいある。知ってても、それ普通にあるから別に、みたいな。だけど、そこをもう一回こう、自分で再解釈して、あ、こういうことなんだって深めることで、やっぱり、どんどん茅野っていう街の解像度が上がってゆくと思うんですよね。うん、茅野ってこういう特色があって、こういういい街なんだとか、だからそういうメディアであってほしいなと思って。
李:この解像度を上げるって表現いいよね。自分の街のことよくわからなくてぼやっとしてる、そんな解像度の低い状態から、解像度が上がってよく見えるようになってくるという表現がすごくいい。
岩波:そうですね。だから茅野って何があるのって聞かれて、何にもないって答える人がいるかもしれないけど、一個一個取りあげていけば、あ、これがある、あれがあるって、解像度が上がって。いっぱい特集していけばさらに上がって、っていうのはきっと楽しい作業だなと。ただちょっと問題は、自分たちはこういうことを思ってやってるけど、まだいろんな人に届いてないなっていう認識。もっと届けられる工夫をしていく必要があるかなって思いました。
李:それはイマジンの今年の課題だね。
岩波:紙媒体として、今後、部数を増やしていくっていう方向なのか、それともウェブとかあの、なんだろう、noteとかに集約して、いろんな人に地域とかに縛られず見てもらえる媒体にしてゆくのかっていうので、また違うし。何の目的でっていうのがね、それによって拡大の方向も違うのかなって思うんで。
李:それで言うと、イマジンってどういうものなのか、この街にとってどうあるべきなのかって話に戻る。この街の解像度を上げてゆくって、何よりこの街に暮らしている市民のためのものであるべきで、そういう企画をつづけていって、この街に生きることの喜び、シビックプライドの醸成をサポートするようなものになれば、それが一番だろうなと、いまは。
2026年のこの街の進化。
ima-Zineの想像力も進化する?
李:さて、2026年には、この街に一つ大きな変化が。駅前施設ベルビアがオフィス機能も備えた複合型交流スペース8PEAKSLIVING(以下8PL)として生まれ変わるよね。それによって、外からの人の流入が増えてくることが考えられる。市民と外からの事業者や観光客、それに学生も、いろんな人々が交わってゆく場所として想定してるわけじゃない。関係を結ぶ場所として。そう考えてゆくと例えば、さっきの話の学生さんたち、若い子たちが何かしら面白い事業をやっている大人たちと結び合う、何かアクションを起こす可能性が出てくる。そんな時にイマジンが、そういった試みを取材して、街の人に知らせていったり、あるいは逆に外からの人たちへ、この街の知る人ぞ知る興味深いことを伝えてゆければ、市民のためのメディアでありながら、同時に外からの人たちへ、茅野って街はこんなにすごいんだってアピールすることができる。それはイマジンの可能性を広げてゆくことになるんじゃないかって、街の進化に合わせてイマジンも進化を遂げてゆくんじゃないかって、そんな気がしているんだ。
河西:ぼくは8PLとは別々のメディアである方が、別々のアプローチで全然いいと思ってますけどね。8PLの方がビジネス寄りのものになるとしたら、例えばイマジンには街のちっちゃなサロンの人情話があって、それを読んで、こんなことやってる女性がいて頑張ってるんだと思った時に、何かしらこう一緒にやりませんかって人が出てきたりすると面白いかもしれないし、そういう街に開かれた感じ。点で終わっちゃってたものがどんどんつながって線になり、線が結ばれてゆくっていうイメージ。そのきっかけがイマジン。そうなったら幸せじゃないですか。
岩波:そうですね、これから8PLを利用する人にも読んでもらえるし、媒体として読者が増えることは間違いないですもんね。いままではパートナー企業さんとか取材先に発送するしかなかったけど、いまよりもっと不特定多数の利用者に読んでもらえる機会があるかなっていう気はしますよね。
大島:なんか大きな流れに飲み込まれていくのは嫌だなって思うけど、8PLに置いといて、イマジンで取り上げた人がビジネスにつながっていくのはすごくいいなって思うんです。置いといたら、来てくれたみたいな、きっかけ創り? そういう自分たちのスタンスを貫いていきたいなと思って。
李:うん、8PLの方で何かやる人は、ここからヒントを拾ってくれたら面白いなと思うんだよね。毎号気にしてくれるようになったら、ものすごく嬉しいじゃない。
岩波:楽しみにしてくれればね。うん、イマジンが8PLの人たちを刺激するみたいなものになれば、一番いいかな。
李:茅野のことはイマジン見たら大体分かるじゃんっていう。もうさ、胸を張って、それがイマジンですって言いたいよね。なんたって、街の解像度を上げるメディアになるんだもんね。
大島:そうですね。そういうイマジンを目指しましょう!
河西:もっともっと想像してゆきましょう。イマジンとは・・・
李:それを問いつづけ進化しつづけてゆこう、この街のために。
[ 編集部メンバーPROFILE ]
今人1号 河西朝樹
グラフィックデザイナーでアートディレクター。
モットーは「温故知新」。伝統的なデザインや文字文化に敬意を払いつつ、“今”の表現を探し続けています。フォントと組版オタクで、こだわり強め。写真&音楽好き。JAZZY HIP HOPからアイドルまで。集中したいときほどアイドル率高し。
今人2号 李 成圭
グラフィックデザイナーだったりクリエイティブディレクターだったりで、向いてるんだか向いてないんだか、よくわからないまま30年。少なくとも、この仕事には嫌われていないはず、多分。人の産み落とすもの、ありとあらゆるフィクションを愛してやまぬ、まだまだ思春期真っ最中の54歳。
今人3号 岩波 路恵
デザイナーとか他いろいろ。好奇心旺盛なフッ軽ウーマン。知らない土地・人・文化にワクワクできるタイプ。「とりあえず行ってみよう」「会ってみよう」ができる人。忙しくても、自分が楽しいと思うことをちゃんと手放さない。一言でずばり、旅好きビール党の体験重視・五感派です。
今人4号 大島 さやな
デザイナーのひよこ。なんでも自分なりに楽しみながら、日々いろいろと興味を持ち、精進中です。散歩・ゲーム・絵を描くことが好き。最近は地下アイドルの現場にも通い始め、多趣味ゆえに時間が足りないのが、しあわせな悩みです。サイン探索に出かけることにもハマっています!