世界に誇る諏訪ブランドのパイオニア

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.34

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

株式会社ライト光機製作所 代表取締役社長
岩波 雅富
Masatomi Iwanami

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU   TEXT BY TANAKA YUKIKO


高い品質を求めたからこそ生き残り戦い続けられる
世界に誇る諏訪ブランドのパイオニア

株式会社ライト光機製作所は、双眼鏡、カメラレンズの下請けとして1956年、諏訪市に創業しました。その後海外輸出の可能性を見出し、早くから独自の製品開発、販路拡大を進め、並行して世界に誇れる技術を磨いていきます。創業70年を目前に、さらなる飛躍を見据えて新工場を拡大された岩波雅富社長にお話を伺いました。


世界に誇る高い技術力

北原ジャクソン友(以下、北原):御社は創業してからどのくらいなんですか?

岩波雅富さん(以下:岩波):創業68年です。祖父が他2人の創業メンバーと設立しました。当時諏訪にはカメラメーカーが多かったので部品の下請けから開始しましたが、初期の頃から独自開発と独自の販売ルートを開拓して今に至ります。創業5~10年くらいから海外輸出を始めていたようです。

当時はまだドイツなどに比べると品質が劣っていて、安かろう悪かろうでした。このまま日本製品が粗悪だというイメージがつくのはよくない。そこで国が検査協会を作って一定の品質をパスしないと輸出できない仕組みができたんです。ただそこそこの品質のものは基準をクリアしても輸出するには数量規制がありました。しかしさらに精度の高い高級品になるとその数量規制がなくなり、売りたいだけ売ることができたのでそこを狙って製造に力を入れていったんです。そうした品質にこだわる姿勢があったからこそ、生き残り、いまでも世界で戦えているんだと思います。

僕は3代目です。大学はまったく違う分野でしたし、卒業後は食品メーカーに就職してライト光機に入ることは考えていませんでした。その会社で働いて2年が経ったとき、もっと違う広い世界が見たいと思ってアメリカに渡ったんです。向こうの大学に通いMBAを取得して帰国しました。それから当社の東京事務所に入って、主に営業や貿易の仕事をし始めたのが27歳の時。その頃すでに販売先の4割が国内、海外が6割。現在は99%が海外輸出品で国内はゼロに近いです。

需要拡大の好機を逃すな

北原:現在の主力商品はなんですか?

岩波:今の主力はスコープですね。撃つと1000Gとかの衝撃があるものですから、それに耐えてかつ精度が出るものというのはそう簡単には作れません。
最近ではハンティング、シューティングといった需要が拡大してきてそれに乗じて成長できています。アメリカではハンティングなどはアウトドアの延長で、釣りと同じような感覚なんです。
スマホを中心としたIT関連が発展していく一方で自然、アウトドアはますます貴重であり、モノより体験という風潮は顕著になっていくんだと思います。実際そうした流れはヨーロッパにも拡大しています。

そうした中で製造能力を高めておく。この建物はそういった意味で建てたんです。でも日照権の関係で最上階は屋根を斜めにしなければいけなかった。そうするとせっかく4階を作ってもあまり広くない。それを有効活用するには福利厚生施設にするのがいいのではということで、この場所をイマージさんに作ってもらいました。社員さんが健康で生き生き働くための場所です。年末にはここで忘年会もやったんですが、雰囲気がとてもよかったですよ。

商売は常にお客さまの方を向いて

北原:これからの展望を教えてください。

岩波:もともと売り上げを伸ばそうとうより、とにかくお客様の要望に応えていいものを作って喜んでもらおう。それによって自分たちも世界トップレベルの製品を作っているというプライドというか自負、喜びをもって仕事をしようと考えていて、売り上げは後からついてくるものだと思っていたんです。
要望に応えるために生産のキャパを確保して、いつでも伸ばしたり縮めたりできる体制でいたいと考えています。
それに当社はたくさんの技術的要素を持っていると思うんです。レンズ、アルマイトメッキ、機械加工、設計、組み立てなどいくつもの技術があって、単体でも飯は食えるレベルだと思っています。そうした内部の技術要素をさらに伸ばしていきたいと思っています。
あとは本当にご縁、人とのつながりの中でこそやってこられました。おかげさまで強い組織ができつつあるとは思いますが、問題は続いていくと思います。問題は少ないほうが楽ですけど、なくなりはしない。それよりも自分たちも力をつけて、いい仕事を続けていければと思っています。

I N F O R M A T I O N

株式会社ライト光機製作所
〒392-0015
長野県諏訪市中洲3637番
Tel.0266-52-3600

>“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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