全力で駆け抜ける現在地とその未来

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.25

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

合同会社ヤツガタケシゴトニン CEO 中村洋
yohei nakamura

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU   TEXT BY TANAKA YUKIKO


かつてのペンションブームに乗って全国に名を馳せた原村ペンションビレッジ。そんなペンションビレッジ内でWEB開発会社「ヤツガタケシゴトニン」を経営する中村洋平さん。WEB開発のプレイヤーとして活躍するかたわらで、地域を盛り上げる仕掛け人として活躍しています。中村さんが見る原村のこれまでとこれからについてお話を伺いました。


── 中村さんはいろんな事業をやられている印象ですが、ヤツガタケシゴトニンは、何をする会社なのでしょうか? また会社を作られたきっかけを教えてください。

中村洋平さん(以下、中村) 本業は一応WEBシステムなどの開発です。地域の仕事はもちろん、都内からの仕事も請け負っています。
 ぼくが大学に入学した2000年頃ってこのペンションビレッジが一番きついときだったんです。東京に出て地元をPRするにはどうしたらいいんだろうって考えていたときにインターネットに出会って、PRに使えると思ったんです。それで大学卒業後はWEBの専門学校に行きました。
 今はそれらに加えてこの「deli & café K」と宿と寮。あとリゾナーレ内に八ヶ岳の特産を販売する「八KATTE」という実店舗をオープンしました。それぞれ部門に分かれてやっていますが、全部WEBの技術とクリエイティブのところがコアになっています。

デリ&カフェ「K」 COFFEE & BOOKS / DELI & BAR

〒391-0115
長野県諏訪郡原村17217-1613
八ヶ岳自然文化園内レストラン
Tel. 0266-74-2684

── 「K」を始めるまで飲食の経験はなかったそうですが、なぜ実店舗の営業を始めようと思ったんですか?

中村 儲かるかどうかじゃなくて、必要かどうかで判断したんです。この辺りが盛り上がるには飲食店は絶対必要。八ヶ岳自然文化園を盛り上げる観点でいえば敷地内にあるここがしっかりしてくれたほうがいいなと思った。でもまあ最初は非難轟々で大変でしたよ。値段が高いとか、500円で煮魚定食を出せとか。(笑)でもブランディングでね、このお店のお客さんは観光客って決めたんです。それで地元の食材を多く使うこと第一にして、農家の知り合いや先輩後輩に声をかけて、とにかく地元食材を全部集めまくった。地元食材を出す。おいしいかまずいか、そりゃおいしいに決まってるでしょう、と。
 物流網に全く乗ってないから手間がめちゃめちゃかかるけど、それがここの唯一の売りだからそれだけは譲らない。でもここを通じてお米屋さんとか野菜を作ってる農家さんとかそれなりの金額が動いているから、ここはそういう役割でもういいかなと思ってる。それ以外は気にしない。
 個人的に一番よかったと思っているのは、以前の原村では商工会に観光のことで相談っていうと、山の上の人でがんばれよっていう感じだった。でもこのレストランは最初から農家を関係人口として巻き込んでいるから、だんだん相談に乗ってくれたり逆に提案してくれたりするようになってきたんですよ。このエリアに観光客がくることが、自分たちの利益にもなるんだって感じる人が増えているのはすごくうれしい。
 ここ数年、茅野もどんどん変わってよくなってる実感がありますよね。近隣のそういうのはすごく刺激になる。でもこれからは「白馬がすごい」とか「ニセコがすごい」「四国がすごいぞ」みたいに、見ている範囲が広くなっていくと思う。そうすると近隣の人とは競うんじゃなくてもっと遠くを見ながら一緒にやった方が絶対楽しくなる。
 八ヶ岳リトルビレッジという宿泊できるタイニーハウスを始めたんですが、意外にもお客さんで一番多いのは20代。学生や社会人になりたての子たちのグループなんです。それで「何しにここにきたの?」って聞くと「別に目的はない」っていうんですよ。焚き火して、お酒があって、星があって、友達がいれば楽しいんだって。
 もしかしたら観光ってぼくらが複雑に考えすぎているだけで、もっともっとシンプルでいいのかもしれない。何かを作らなくてもこういう元々人がきてくれていた地域は、ほんのちょっと磨いて必要な道具を揃えてあげれば十分なのかもって感じた。

── 地域をよくするために、この先やりたいことはなんですか?

中村 もう一棟コワーキングスペースを作って、商圏人口を増やしたいですね。あとはペンションビレッジ内に軽井沢のハルニレテラスみたいな買い物できるエリアを作りたいとか、野菜はたくさんとれるけど通年出荷ができるわけではないので、野菜の加工場が欲しいとかいろいろあります。
 でももっというと、今、若い人はお金を借りられないですよね。ここはひとつひとつの物件が大きいので賃貸にするのは難しいし維持にもお金がかかる。でもお金の問題がクリアになれば若くてもやりたいと思う人は結構いると思っているんです。
 例えば若い人がここで自分の店や宿をやりたいと思ったときに、銀行が貸してくれるお金だけでは足りなくても、お金を持ってる人が集まって、この人がきてくれたら盛り上がるんじゃない? っていう人にお金を出す。その子の成長とともに自分たちもちゃんとした利益を得られるような地域への投資の仕組みづくりかな。そういうのを子どもたちの世代に手渡したいと思っています。

I N F O R M A T I O N

Yatsugatake Little Village Hotel

〒391-0114長野県諏訪郡原村
ペンション17217-1656
tel. 0266-74-2299


インタビューの様子は動画でもご覧いただけます。

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“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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