都市と蓼科を結ぶ架け橋へ
アパレルメーカーが見た蓼科の可能性

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.27

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

株式会社アーバンリサーチ
TINY GARDEN 蓼科 店長 粟野 龍亮
Ryosuke Awano

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU   TEXT BY TANAKA YUKIKO


2019年9月蓼科湖畔にオープンしたタイニーガーデン蓼科は、大手アパレルメーカーアーバンリサーチ初の宿泊型滞在施設である。折からのキャンプブームとコロナによるアウトドア需要の高まりもあいまって、今や蓼科になくてはならない施設になった。アーバンリサーチはなぜこの蓼科を選んだのか、またこれから蓼科の自然の中でどんな輝きを放っていってくれるのか。タイニーガーデン蓼科の店長兼地域コーディネータの粟野龍亮さんにお話を伺った。


宿泊型滞在施設から新しいブランド創設へ

── タイニーガーデンはオープンしてあっという間に蓼科になくてはならない施設となった印象ですが、実際どんな感触ですか? そもそもなぜここにオープンすることを決められたんでしょうか。

粟野龍亮さん(以下、粟野) ここがオープンしたのが2019年9月です。その翌年からコロナが始まってしまったので、コロナのない夏を経験していません。なのでなにが通常の状態なのかがいまいちわからないのが正直なところです。
2013年ごろからこの場所でフェスを開催していて、それをやりながら構想していたものが形になっていったという感じですね。社長曰く、この土地がとても良かったと。具体的には都心からのアクセスと蓼科湖、八ヶ岳の穏やかな自然環境のバランスがちょうどよかったんだと思います。

── ここを拠点に蓼科発のブランドも誕生していますよね?

粟野 「EKAL(エカル)」は蓼科湖からインスピレーションを受けて、街とフィールドとをつなぐブランドとして誕生しました。誕生してからずっとタイニーガーデンと一緒に動き続けています。確固たるフィールドとそこで感じること。さらに地域にいるプレイヤーを集めてそれらをクロスさせていく。洋服ブランドが何かに寄っていくのはよくあることですけれど、ここまで直接的に同調して動いているっていうのは他にはあまりないことだと思っています。

自然に触れ、炎を囲むことで見えるもの

── 粟野さんご自身も移住されてきたんですか?

粟野 はい。移住してきて5年になります。空気がすごくきれいで、八ヶ岳の山には登山家も子どもも受け入れてくれる懐の深さみたいなものを感じました。
実は東京にいたとき、アーバンリサーチの店舗で働いていたんです。もともとすごく山登りをするというわけではなかったんですが、取材などで出張するうちに山に近い暮らしがいいなと思うようになったんです。茅野には別の仕事できたんですが、そうしたら前職の企画が立ち上がっていてまたここで働くことになるっていう…不思議な縁ですよね。

── どのような方が訪れるのでしょうか。またどのようにお客さんに向き合っていますか?

粟野 お客さんは東京方面からが7割ほどを占めます。
宿泊だけでなく、いろいろとテーマを決めた観光コースやイベントを提案するようにしています。例えばここを中心に移動距離60分以内という観光コースで、地域の仲間やオススメの場所とつながってもらうようにといったものや、ビール好きな人たちを集めて新しいクラフトビールを作ろうといったものなど。これはただビールを作るのではなく、ビールとアウトドアのあるライフスタイルを作るっていうテーマでやったもので、評判も上々でした。
ご存じのように今はキャンプのお客さんがとても多いんです。お気に入りのギアを持ってきて広げてもらうのはもちろんいいんですけど、便利なものがなくてもこの敷地の中にもいろいろと発見があるんですよ。そうした学びの機会を作ろうと「ブッシュクラフト」という講座も企画しています。自然との距離感や関わり方っていうものを知ってもらう機会になればと思っています。

── 企業ベースでもそうした自然との関わりを求めての利用があるんですか?

粟野 どんな業種も大元を辿れば木や森にいきつくんですよ。実際さまざまな業種の方に利用してもらっています。IT関連企業の方なんかは、普段はリモートワークで顔を合わせないからという懇親会的なものや、閉鎖的な環境で仕事をすることが多いので詰まっているものを解放しにとか。
キャンプファイヤーは必ずと言っていいほどやっていかれますね。解放的な自然の中で炎を見ながらしっぽり話す。会議テーブルでは出ない話やアイデアが出たりすることもあるようです。使い方はいろいろあって、逆にこちらがこんな価値があるのかと思うことも多々あります。

地域のファンを増やし、その核であり続けたい

── 今後の展望をお聞かせください。

粟野 宿として安定して稼働するには今ある割引などにすがるより、目の前のお客さんを大事にしてリピーターになってもらうことが一番だと思っています。ここにきていろいろな人とつながって、いろいろな場所を訪れてもらって、好きになってもらう。この地域自体のリピーターになってもらったときにうちが拠点であれるようがんばっていきたいと思っています。

I N F O R M A T I O N

TINY GARDEN 蓼科(タイニーガーデン タテシナ)
〒391-0301 
長野県茅野市北山8606-1
tel. 0266-67-2234


インタビューの様子は動画でもご覧いただけます。

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生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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