[IMA-ZINE INTERVIEW VOL.61]

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。
ヤツガタケマート create C代表
半田 裕
Hiroshi Handa
INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU TEXT BY TANAKA YUKIKO
2025年4月、茅野駅東口のコンビニ跡地に新たなお店がオープンした。ここはなんと高校生が運営するコンビニエンスストア。店舗のレイアウトから商品仕入れまで高校生たちが考え、自らレジにも立つ。
開店から1ヶ月。高校生たちの様子は? また地域にとってそんな高校生たちを応援し見守る必要性と醍醐味とはなにか。create C代表 半田裕さんにお話を伺った。


高校生が運営する
コンビニエンスストア開店!
北原ジャクソン友[以下、北原]:今日はcreateC代表の半田社長にお話をお聞きしたいと思います。高校生が運営するコンビニ。オープンしましたね!
半田裕さん[以下:半田]:きました!笑本当にできるのか不安と期待もたくさんあったんですが、始まりました。
北原:茅野駅前唯一のコンビニが閉まっていたので、うちとしてもお店を入れたいと思っていたんですけど、普通にやってもおもしろくないと思ったんです。半田くんが今まで高校生を支援しているのを見させてもらっていたので、高校生がコンビニってやってみたらどうかなと思って声をかけさせてもらいました。日はcreateC代表の半田社長にお話をお聞きしたいと思います。高校生が運営するコンビニ。オープンしましたね!
半田:ぼく自身も高校時代にさんざんお世話になったお店だったし、今の高校生からも駅前にコンビニがないっていう話を聞いていたんで一緒にやったらおもしろいだろうなと思いましたね。

原体験を次世代へつなぐ
北原:半田くんは原村の村議でもあるんだけど、その傍ら高校生支援も続けている。なんでそこにこだわっているんですか?
半田:きっかけはベルビア2階の「CHUKOランド チノチノ」ができたことです。高校2年生の時に、茅野市で「将来どんな街に住みたいですか?」というテーマのフォーラムがあったんです。そこでぼくは「将来ではなくて、今、この街に中高生の居場所が欲しい」っていうお話をしたんですね。当時駅前にはハンバーガーショップとかあったんですけど、気持ちの面で居心地よく地域に受け止めてもらえている印象がなかったんです。結果、白地図から作るところから運営まですべて任せてもらえた。当時の自分自身を、地域が本気になって支えて実現につなげてくれた経験が自分の原体験として大きくて、それまでは早くここから出ていきたいと思っていたのが変わりました。
そして当時の大人の人たちが支えてくれたように、今度はぼくが中高生にそうした場を作っていきたいなというのが一番ですね。
このコンビニを作るにあたっても、彼らにどこまでできるか、任せていいのかっていうところは悩みながらやっています。
北原:俺もこれは高校生に任せたから、打ち合わせにもあえて参加せずにいたけど、こうしてオープンできたもんね。高校生たちはどうですか?
半田:お店に雇われているバイトの一人ではなく、お店を一緒に作る仲間の一人ですっていう気持ちは持ってくれているんじゃないかと思います。ここで販売している商品の大半は一般的に市場にあるものです。でも高校生と一緒に選んでいるので、売れ筋じゃないものもあるんですけど、なんでか売れ筋より売れたりするんですよ。広告も高校生が考えて作った動画をインスタに上げていきました。半信半疑でしたが、1本目あげたらあっといまに25~26万再生にもなった。実際それで県外からインスタを見て、近くに来たので寄ってみましたって言ってくれるお客さんもきましたからすごいですよね。
北原:うちが広告を打つとすると新聞広告とかになりがちだけど、これからの時代を担う人たちの考え方っておもしろいし、そうなっていくんだよね。

挑戦と失敗を見守る先にある
地域の未来
北原:高校生がトライアンドエラーをしながら、これをきっかけに思いっきり価値観変わりましたって思ってくれるといいよね。
半田:失敗できる機会を認めてもらえるお店だっていうことをすごく感謝しています。この会社を作るときに、一人の高校生がクリエイト(create)はもちろん「作っていく」という意味で、Cにはやはりまず「茅野」、あとは自分たち高校生がチャレンジ(challenge)していけるお店にして、それをコミュニティ(community)にしていきたいという話をしてくれた。このCはいろんな思いを乗せられているんです。すでにこのお店を知った高校生たちがお店に足を運んでくれて、自分たちがやりたいことを相談に来てくれているので、子どもたちにチャレンジする場を提供することを事業としてやっていきたいと思っています。高校生と地域との関係を密にしておくことで、将来好きで戻ってきてくれたらベストですし、戻ってこなくても行った先でうちの地元こんなところだよってPRしてくれたりすると思っているんです。
さらに地域に子ども達を支えたいという大人で溢れてほしい。ここで買い物をすると地域の子供達が元気になっていく。地域のためになるんだなって思ってもらえるきっかけになるようなお店にしていきたいと思っています。




I N F O R M A T I O N


ヤツガタケマート
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長野県茅野市仲町9-6