[IMA-ZINE INTERVIEW VOL.41]

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。
株式会社山崎商店 代表取締役社長
山﨑 将寛
Masahiro Yamazaki
INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU TEXT BY TANAKA YUKIKO
諏訪市高島で産業廃棄物や金属などの収集、処理などを行う株式会社山崎商店。3代目山﨑将寛社長は、2015年の社長就任以前より会社の体質強化に取り組んできた。相場に左右されがちな業種でありながら安定した企業を目指している。新たな事務所も完成し、更なる飛躍を目指す山﨑社長の熱い思いを伺う。

ゴミを価値あるものに変えていく
北原ジャクソン友(以下、北原):山崎商店さんは創業何年目なんですか?
山崎さん(以下、山崎):創業は1935年なので今年で88年目ですね。創業は私の祖父になりますが、捨てられているごみがお金になる事にとても魅力的に感じたみたいで、15歳の時に個人商店を始めました。街中をリアカーで歩き回り捨てられている衣類、瓶、缶を集めたそうです。他の仕事も選べたのに、誰もやりたがらない仕事を儲かりそうだからと始めた祖父は色んな意味で凄いなと思います。

北原:山崎商店さんの企業としての強みはなんですか?
山崎:この業種って同業他社は競合というイメージが強いんですが、うちは8割以上が同業者からの仕入れです。なので業界では横のつながりがで生かされている会社なんです。横のつながりを諏訪から日本全国へ、そして世界へ向けて広げていきたいと思ってます。また新しいつながりや情報を取る意味もあって、全国産業資源循環連合会青年部協議会の役員もやらせてもらっています。会社の大小を問わず繋がりでビジネスができる。そう思ってやってみるとおもしろい業界だと思いますよ。

強い企業になるために必要な人の力
山崎:今回の事務所の建て替えは社員の増員に対応するためでもあるけど、人事評価制度のスタートや今後の人材確保のために決断しました。業界的にも今の日本の経済状況ってかなり悪いんだけど、そんな今だからこそ社員教育のための人事評価制度をしっかり整備して、景気が良くなってきたときにしっかり儲けられるようにしたい。さらには景気が悪い時でも赤字にならない体質にしていきたいんです、それには人が必要なので、そこに全力投球して、一人一人と面談するようにしています。こっちも体力やメンタルを削られますけど、社員もかなり変わってきたと思います。
北原:山﨑社長ってクールなイメージなので、そこへの情熱はびっくりしましたね。
山崎:会社を留守にすることは多いので、人事に対してあまり関与してないイメージを持たれていますが、数年前からやり始めていて、今は自分がいなくても会社としての成長を感じられるようになりました。
北原:「ポイポイボックス」についても紹介してください。
山崎:コロナが流行した時に、これから断捨離が来るだろうなって思っていて、そこの需要を獲得したかったんです。今までは作業員がお客様のご自宅に伺い、対面での収集作業をしていたんですが、不要なものを入れられるコンテナを設置し、好きなタイミングで片付けてもらう。また金属リサイクルがメインの会社だからこその強みでもありますが、コンテナとは別に金属くず専用のカゴをお付けして、こちらの分は無料で処分ができるようにしています。それにうちは金属だけではなく、廃棄物ならなんでも大丈夫なんですっていうアピールもしたくって。

この時代にこそ、「捨てる」と真剣に向き合いたい
山崎:ごみについてよく考えてもらいたい。大量消費の時代だからこそ、「捨てる」というところにうちが絡めば新たな価値を生むことができるんです。SDG’sが謳われていますけど、うちでは何十年も前からずっとやってきたってことなんです。
閉塞感の漂う時代の中で、事業の規模を維持していくのも大変ではありますが、売り上げだけでなく、会社全体で成長し、自然と事業規模が大きくなる。そんな会社でありそんな環境をみんなで作っていけたらと思っています。
I N F O R M A T I O N

株式会社山崎商店
〒392-0022 長野県諏訪市高島1-1-8
tel.0266-52-6530
