[JACKSON IMAZINE REPORT Vol.42]
弊社、代表取締役社長 北原ジャクソン友(通称:ジャクソン)が日頃から感じる様々な出来事や、数多くのセミナーを参加して感じたことなど、ワクワクする情報を毎月皆さんにシェアしていくコーナーです!
TEXT BY KITAHARA JACKSON YU
今月は諏訪市神宮寺にある墓石店”石栁北原様”にインタビューをさせていただきました。
今振り返ると、この石栁北原のプロジェクトは私にとっても弊社にとっても、めちゃくちゃ大きな起点となるプロジェクトでしたので、久しぶりに当時を振り返りながら、今の弊社の取り組みもご紹介したいと思います。
まず弊社が本格的にブランディングに取り組み出したきっかけは、私のメンターでもあり、弊社のとても大切なお客様の某社長さまに、イマージも本格的にブランディングに取り組んでみてもいいんじゃない? というご助言を頂いただいたことで、マーケティングもブランディングもセールスやプロモーションといった言葉も全くよくわからなかった私が、一般財団法人ブランドマネージャー認定協会(以下:BM協会)のプログラムを受講するようになりました。
どちらかというと、理論をもとに議論をすることが好きなほうなので、BM協会のブランディングのプロセス(ステップ)に心から共感してしまい、ブランディングの世界にどっぷりとハマっていきまして…1級資格を取得後、トレーナーの資格まで取らせていただきました。
そこからはブランディングは弊社の店創りには欠かせないプロセスであって、繁盛するお店、長続きするお店を作っていくためにも、ブランディングから関わらせていただく機会が自然と多くなってきました。
■石栁北原様のブランディング
石栁北原様は、信州諏訪にある諏訪大社の隣に位置する、1880年創業の石材店です。会長、会長夫人、5代目社長、社長夫人、従業員の5人で事業を行っていましたが、当時は売上が減少してしまい、売上を取り戻したいということで大手コンサル会社に依頼していましたが、結果が出ていない状況。弊社には店舗の改装で売上を上げていきたい、という話をいただいたのですが、その前に会社としての方向性を固めた方がいいのでは?と考え、チームによるリブランディングを提案させていただきました。
BM協会のスキームの特徴は、チームで作り上げるブランド構築ということです。この手法は、よりチームメンバーが当事者意識を持ってブランディングに携わるためにもとても有効な手段で、チームメンバー全員がブランドを自分のブランドとして捉えていただけることが最大の利点です。
PEST分析、3C分析、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)の流れでチームで取り組んできましたが、その途中段階で全員がハッとした瞬間があったんです。それは顧客の心情に気づいた時です。お客様がどんな気持ちでこの墓石店に来ていて、何を望んでいるのか?ということに関して、みんながしっかりと理解することができ、チーム全員で向かうべき方向性が見えたんです。そこからは、このお店はどう思われたいか?を簡潔に示すブランドアイデンティティを定め、その言葉を軸としてロゴや建築など、多くのブランド要素をまとめていくことができました。
この石栁北原様のプロジェクトでBM協会の2016年度ブランディング事例コンテストにおいて大賞を受賞できたことが、私にとっての大きな糧となり、これからもブランディング事業に突き進んでいこう!と決意できた、大きな岐路となりました。そしてそれからも多くのプロジェクトに関わらせていただき、大半はブランディングから携わらせていただいてきました。
私が取り組んできたBM協会のブランド構築も結果が出せるブランディング手法の一つではあると思いますが、最近では弊社のクリエイティブチームによるブランディングもお勧めするようになりました。弊社のクリエイティブチームもBM協会のスキームを理解した上でブランド構築に携わっていますが、理論とは別で”生み出す力”が必要な時があるんです。
クリエイター目線のブランディングだと、クライアントの独自の個性やスタイルを見つけることが、視点が面白く、本当に上手だなぁと思うことが多々あり、単に理論的な構築だけでは見逃してしまう、面白い視点から物語を構築したりすることがあるんです。
そして、クリエイターならではの視点は、柔軟性があり、創造的で、独自の言葉や形を通じて、顧客とブランドを軽やかに結びつけることができると思っています。クリエイター個人の創造力が独自の世界観を構築し、ストーリーやコミュニケーションを通じて表現されることで、独自の魅力を発揮していき、ファンや顧客を引き寄せていく引力になっていくのではないでしょうか?
チームによるチームブランディングとクリエイターによるブランディング、どちらも有効で結果を出すことができると考えています。しかし、クライアントのことを真剣に考え、どのようにファンを巻き込んでいくかを、四六時中考え抜く“真摯な情熱”が、ブランディングに必要なエネルギーとなることは間違いありません!