[VOL.16]
お話を 伺った方
LAGOM代表
向井啓祐さん
TEXT BY TANAKA YUKIKO
PROLOGUE
歴史あるこの地域に今なお多く残る「蔵」。整理されず手付かずのまま残されているところも多い。そんな眠ったままの道具たちも、新たな持ち主の手に渡ればまた道具としての価値が生まれるのではないか。そんな想いから2023年4月「蔵市」が始まり、9月には第2回目が開催された。音楽が流れる街中にはキッチンカーが繰り出し、夜はディスコも開催され大変な盛り上がりを見せた。今回は蔵市を発案し主催する茅野市の古着屋「LAGOM」の向井啓祐さんに、「今」「ここで」このイベントを行うことへの想いを伺いました。
■茅野の街にエンタメを
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る「蔵」。整理されず手付かずのまま残されているところも多い。そんな眠ったままの道具たちも、新たな持ち主の手に渡ればまた道具としての価値が生まれるのではないか。そんな想いから2023年4月「蔵市」が始まり、9月には第2回目が開催された。音楽が流れる街中にはキッチンカーが繰り出し、夜はディスコも開催され大変な盛り上がりを見せた。今回は蔵市を発案し主催する茅野市の古着屋「LAGOM」の向井啓祐さんに、「今」「ここで」このイベントを行うことへの想いを伺いました。
きっかけは単純に茅野駅周辺にイベントが少ない。あっても単発で若者がこないから、おもしろいイベントをやってほしいと言われたからです。やるからにはお客様を集めるエンターテインメントを作りたいと思っていました。
古着の店をやっていますけど、古着以外の不用品にも価値がつくんじゃないかなって思ったんです。さらに僕ら自身が回収に行くところにエンタメ性を持たせたいと思ったんですけど、「(行き先が)人んちだと映像回せないよね」「じゃあ蔵ってどう?」「蔵ってきっとおもしろいものが眠っているよね」という感じになって、蔵の中に眠っている不用品を回収して販売するイベントにしました。地元の資源をいかして地元の人に楽しんでもらえるイベントにしたかったんで、回収も諏訪圏内を対象にしたんです。
難しい。
でも諦めない。
楽しみは
人力で 広げる。
最初に商店街の人たちに話を持っていったときは、全員に反対されましたね。ここでイベントをやるのは難しいんだ、だから誰もやらないんだと思った。でも僕はそもそも人を集めようと思ってLAGOMを始めて、実際たくさんの若い人が来てくれるようになった。3年目からはそれを外にも広げていきたいんです。
まずやってみようと思って、初回の蔵市を今年のゴールデンウィークに開催しました。連休ということもあってお客様がたくさんきてくれた。実績ができるとそれまで反対していた人や行政も協力してくれるようになるんです。地域が若い世代がやることに振り向いったってすごいことだと思う。これは足を使う努力。SNSではできないことですね。
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夢 を思い描ける
街 にしてゆく。
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イベント当日は大学生のボランティアにきてもらいました。大学生とか若い人たちが夢を持つには大人であるぼくたちがキラキラしてないといけないと思うんですよ。そういうのを見て、自分の中でどんな大人になりたいかをブランディングして大人になっていく。
その中から何か事業をやりたい、チャレンジしたいっていう人が出てきたら協力できるようなつながりを作っていきたい。でもいきなりそこからだと相手も僕が何者かわからないじゃないですか。まずは自分の仕事を見せて、同じ目線になった上で、今後物を売りたい、仕入れをしてみたい。そういうやってみたいことを実現させられるようにしたいと思ってる。実際いくつか今空いている店舗を借りてみたいという人もいますし、新しいお店をオープンしようと準備を進めている人もいます。人が来るようになればそういう動きが出てくるんですよね。
「地域の活性化」って単発のイベントに人が来ることじゃなくて、それをきっかけにその地域を知った人が次にきても楽しめるっていうことだと思うんです。だから茅野駅の周辺にイベントがあるというのを定番化していきたい。10月と11月にもイベントを企画しています。そして来年の春にはまた蔵市を開催する予定です。