あの日、路地裏からはじまった。

[VOL.20]
信州そばと酒こころ

店主 小松洋子さん

TEXT BY TANAKA YUKIKO


2023年12月12日、仲町の路地裏にあった居酒屋こころが茅野駅東口のロータリー前に移転、リニューアルオープンした。
移転後は店主小松洋子さんの打つ手打ちそばを味わえるようになった。
なぜ移転を決めたのか。お店にかける思いと新しいことに挑み続けられる秘訣を伺った。


居酒屋こころの出発点

仲町で13年前から居酒屋こころを始めました。それ以前は白樺湖畔にある美術館のテナントで働いていましたが、人員整理にあってしまったんです。そんなときに、ある人から居酒屋をやったらいいと言われました。その2年ほど前には空いている物件があるからお店をやらないかと誘われたことがあったんです。それを思い出して、その人に連絡をとって、そこからトントンと話が進みました。
元々食べたり飲んだりするのが好きなんです。お店で食べておいしいと思ったものやテレビで見ておいしそうと思ったものはすぐ自分で作っていたんです。主婦の料理ですけどね。オープン当初も特に宣伝とかはしなかったんですが、口コミで広がって常連さんがたくさんついてくれました。

手打ちそば屋×居酒屋の
新しいステージへ

前のお店は厨房がとても狭かったんです。それでもう少し広い物件を探していて、イマージの会長の享さんにも相談していたんですよ。そしたら友くん(現社長)から「ここでそば屋をやらないか?」という話をいただいたんです。
いきなりこんなに広いお店?とびっくりはしましたね。でもおそばも好きだったので、やってみよう!と決めました。お話をいただいてから二ヶ月間試行錯誤して、昨年の12月12日にオープン。早いでしょ?(笑)。でも前のお店も13年前の12月12日にオープンしていたので、どうしてもオープンするならこの日がよかったんです。

コロナの時おそば屋さんでアルバイトをしていたんですけど、実はそば打ちを学んだのは独学なんですよ(笑)。それで練習して、たまたまお披露目会のときにすごく上手に打ててしまった。そうはいってもそのあとまた悩む期間もあったんですけど、お客様にも喜んでもらえるおそばになってよかったです。

手打ちにこだわりたい

手打ちでなくてもおそばは出せるんです。この辺りの有名なお店でも機械打ちしているお店もあります。そうしたところも食べにいってみたんですが、私はやっぱり手打ちのおそばが好きだなと思ったんですよ。
お昼におそばを出そうと思うと毎朝遅くても六時には起きて準備をします。以前より朝早く起きなきゃならないので、あまり夜遅くまで店を開けることはできなくなりました。それを惜しむ声もありますが、おそばを出すなら絶対にランチ営業をしなければと思ったんです。
新しいことに挑戦することにためらいがないんですよね。元々趣味も多くて興味を持ったものはなんでもやってみたい性格なんです。ゴルフもやるし、太鼓の会にも入っていましたし、陶芸もやりました。今となっては陶芸をやっていたからおそばの菊練りも最初からうまくいったんじゃないかと思っているくらい。

茅野の街はどう変わったか。
これからどうあって欲しいか。

コロナ前までは仲町の路地裏にもお客さんがたくさん歩いていました。でもコロナで客足がぐんと減りました。落ち着いてきたとはいえ、家から出る習慣が一旦なくなるとなかなか客足は戻ってこない。体感では3分の1くらいになった感じがしています。私も定休日には他のお店に飲みにいったり、そうするとあちらも来てくれたりしますけど、このあたりは魅力的なお店がいっぱいあるんです。だからこれからもっと客足が増えてくるといいなと思います。イマージさんにもお客さんを呼び込むイベントをまた企画してもらいたいですね。

I N F O R M A T I O N

信州そばと酒 こころ
〒391-0005 長野県茅野市仲町5-20
営業時間 11:00〜14:30ラストオーダー 17:00〜20:30ラストオーダー
定休日 木曜日
スタッフ募集中!!

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“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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