山が奏でる。水が聴こえる。

[VOL.13]
湯川 新湧水
北大塩大清水

TEXT BY TANAKA YUKIKO


あたりまえ、にある水。けれどこの街の水はけしてあたりまえ、ではなかった。
そこには、八ヶ岳が奏でる水の軌跡があり、
そしてそれはきっと、大袈裟でもなんでもなく、奇跡だ。
そんな水を感じるため、耳を澄ませるため、
わたしたちは「湯川 新湧水」と「北大塩大清水」という名のふたつの湧水を、
ある梅雨の日に訪ねた。


水は静かに湧いていた。そして流れていた。それは縄文の昔からつづいていること。今日も八ヶ岳に雨が降る。雪が降る。そして深く深くしみこんでゆく。それこそがこの街の水。わたしたちを潤す水。
その水は、取水した時点ですでに水質基準を満たす美しい水。それはそのままこの地の美しさの証だろう。たとえば「湯川 新湧水」でコーヒーを淹れてみてほしい。味わった者の話では、水道水になる前の原水は薫りの立ちが違うという。そして、この水を特徴づけるもうひとつは、それが雨だけではなく、八ヶ岳の雪溶け水も源にしているということ。湧水であれば実に3℃から5℃のものもあり、そのお陰で冷たくおいしい水を日々、家でたのしめる。この地ならではの大きな恵みだ。

北大塩大清水

湯川新湧水


豊かな水量もまた、特筆すべきことだろう。
「北大塩大清水」は一日8000tもの水量を誇り、なんとここだけで茅野市の三分の一を賄い、そして、その水は、土地の高低差によって街場までも引かれているという。
実に、茅野市の水道水は、すべてが地下水なのだ。

美しく豊かな水とは、けしてあたりまえではない、大きな富だ。それは、水質管理と取水量の両面で自治体の助けとなり、住人の暮らしへの還元につながっている。こうしてこの地の水は、人々の生活を支え、田畑を支え、経済を支え、流れめぐり、この街の全体を支えるものとなっているのだ。
そんな水に、ときには耳を傾けてみてほしいと想う。

*今回の特集にあたっては、茅野市水道課 黒澤純也さんにお話を伺いました。
※1 原水の飲料の際には煮沸してください。
※2 あくまで個人の感想です。

 

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“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
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そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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