おいしい信州諏訪の地酒をもっと多くの人に。〈株式会社 信濃屋 インタビュー〉

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.15

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

株式会社 信濃屋 代表取締役社長 奥原 賢一

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU


 おいしい信州諏訪の地酒をもっと多くの人に知ってもらい、地域経済の活性化に貢献したい。そんな想いを胸に、今年創業50周年を迎える酒屋「地酒の信濃屋」を営んでいる奥原賢一さん。店内には日本酒、ワイン、焼酎、ウイスキー、ビールといったあらゆる地酒がずらりと並びます。品質、在庫管理を徹底して行い、さらには日本酒、焼酎テイスティングの専門家である「酒匠アドバイザー」をはじめ、お酒に関する資格を有するスタッフが多数在籍。職人の魂がこもった高品質な地酒を、最高の状態で提供したいという、強いこだわりが感じられます。2016年にはイマージがお手伝いさせていただき、リニューアルを実施。酒蔵をイメージした、和の雰囲気あふれるお店に生まれ変わりました。

「諏訪を元気にする飲食店の会」の会長も務められている奥原さん。現在は新型コロナウイルスの影響で中止されていますが、飲み歩き・食べ歩きイベント「そと呑みー」を開催するなど、まちの飲食店に活気をもたらすため、尽力されています。酒屋、飲食店が苦境に立たされている昨今。そんな中でもウィズコロナ時代を見据え、前へ進み続ける奥原さんに、お話を伺いました。

地域に根差して創業50年、酒蔵風の外観が目印

 「地酒の信濃屋」は、今年の10月1日で50周年を迎えます。50年前、先代である父がJR上諏訪駅の近くにあったスーパーに、小さな店をつくったのが始まりでした。その後すぐ諏訪市大和に移り、1996年に現在の場所で店を構えました。信濃屋という店名は、創業した当時に取得した電話番号が「4708」だったことに由来していると聞いています。「お父さんこの番号、信濃屋って読めるよね?」「いきなりそんなでけぇ名前つけてどうするんだ」と当時は夫婦喧嘩になったそうですが(笑)、名前に負けない酒屋になろうと誓って店を始め、今日に至ります。イマージさんにお助けいただいてリニューアルしたのは、2016年の年末のこと。「地酒をもっとPRしたい」という想いから、酒蔵風の和風モダンを意識したいとお伝えしたところ、理想の店をつくっていただき、大変感謝しております。

諏訪の地酒がおいしい理由、信濃屋ならではのこだわり

当店の1番の特徴は、地酒へのこだわりにあります。霧ヶ峰の伏流水を仕込水として利用する「諏訪五蔵」をはじめ多くの蔵があり、昔から日本酒が有名な地ではありますが、近年はワインの産地としても知られ、「信州ワインバレー構想」も策定されています。なかでも塩尻・桔梗ヶ原のワインは品質が良く、世界的にも高い評価を得ているんですよ。ワインのブドウの産地といえば、昔は甲府が有名でしたが、地球温暖化の影響で次第に塩尻がブドウの生育に適した場所になってきました。10年後はわかりませんが、今は信州が間違いなく(ワインづくりに適した土地)1位ですね。そして、これは酒づくり全般に言えることですが、諏訪の地は水、気候、降雪量などの条件がそろっている。さらに、優れた技を持つ職人が多く、諏訪人気質と言われる頑固さも、良い酒を醸す要因になっていると思います。

 「同じ地酒でも信濃屋さんで買う地酒が一番おいしい」と言っていただけるよう、品質管理、在庫管理を徹底しています。リニューアルの際に日本酒セラーを設置し、365日一定の温度で保管しているのもこだわりの1つです。プライベートブランドの地酒も多数取り揃えていまして、ワインは「キュヴェツカハラ」が人気です。日本酒は「杜乃舞」や「信濃の國」などがおすすめですね。いずれも当店限定の商品になります。焼酎の一押しは、飯田の蔵元につくっていただいた「穆王(ぼくおう)」。地元産の「黄金千貫」という芋を使用した信州初の芋焼酎で、非常に飲みやすいです。地ウイスキーでは「マルスウイスキー」が有名ですね。加盟店でしか手に入らない「岩井」もお買い求めいただけます。

 このように、一般のお客様に向けた商品にも力を入れていますが、当店の売上の約90%は業務用でして、新型コロナウイルスによって大打撃を受けています。お酒が悪者扱いされている現状は、本当に残念ですね。コロナが収束して以前のような日々が戻ってくることを期待していますが、ウイルスが完全になくなることはないので、新しい生活様式に応じた飲食店経営、業務用酒販店のあり方を考えていく必要があると思っています。7割経済になっても会社が持続できるよう、社内改革に取り組んでいるところでして、「あの時コロナがあったから変革できたんだな」と、将来思えるようになっていたいですね。

「まずは地域に貢献したい」地酒でまちを元気に

 弊社では「三方幸福の実現」を社是に掲げています。近江商人の心得で「売れてよし、買えてよし、世間よし」というものがありますが、弊社では「地元よし、買えてよし、売れてよし」と、順番を入れ替えているんですよ。まずは地域に貢献した上で、お客様にも喜んでいただき、最後に我々も幸せになる。この「三方幸福」をいつも目指しています。素晴らしい諏訪の地酒を活かして、お金が地域に回るスパイラルをつくれたら最高ですね。ぜひ飲食店の皆さんも、もっと地酒を愛していただき、これからもその魅力を共に発信していきましょう。

I N F O R M A T I O N

株式会社 信濃屋

〒392-0015長野県諏訪市中洲三ツ俣5709番地33

Tel 0266-52-4708 Fax 0266-57-0952

www.sake-shinanoya.co.jp

店舗営業時間:9:00-18:30 定休日:毎週水曜日

>“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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