強烈なネーミングに込めた復活への思い
「帰ってきた蓼科 株式会社」インタビュー

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.23

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

帰ってきた蓼科 株式会社 代表取締役 矢崎公二

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU   TEXT BY TANAKA YUKIKO


 高度経済成長期に避暑地として人気を博した蓼科高原。1980年から1990年代前半には宿泊客だけで年間250万人を誇りました。しかしそれも時代とともに下降線を辿り、コロナ直前には150万人まで落ち込みます。店や宿などの経営側も高齢化が進み、シャッターをしめるところが増えてきました。しかし蓼科の豊かな自然と過ごしやすい環境は、今再び注目を集め始めています。そんな蓼科再出発の主導しているのが、2017年に誕生した「帰ってきた蓼科株式会社」です。蓼科の未来をどのように描き実行していくのか代表取締役社長の矢崎公二さんにお話を伺いました。


強烈なネーミングに込めた復活への思い

 もともと蓼科の現状をどうにかしたいと観光協会を中心とした地元の人たちで議論はしていたんです。それを実現しようということで「帰ってきた蓼科」という観光町づくり会社を立ち上げました。
「帰ってきた」っていうのは「お客様に帰ってきてもらう」とか「蓼科のファンになってまた戻ってきてもらう」とか、「働く人にも戻ってきてもらう」とかそういう意味を込めていいんじゃないかと思ったんです。

 かつての蓼科は避暑地として人気で、この蓼科湖周辺も文字通り人が溢れていました。蓼科湖に400mの天然のスケートリンクがあって国体をやったこともあったんですよ。しかし最盛期には年間の宿泊客が250万人だったものがコロナの前の時点で150万人とずいぶん減ってしまった。それをどうにかしたいと思ってできたのが「帰ってきた蓼科株式会社」というわけです。

 観光町づくり会社というのは、公的なものを投資して作ったり運営したりしているものの投資額をしっかり回収するのが目的の会社です。そこで大きな儲けを出そうとかではなく、利益が出たらそれをまた蓼科のために投資していきます。
ある程度古くなった資源もあるので、そうした古いものを活用しながら生まれ変われるようにとも考えています。

蓼科の急な変貌をどのように叶えたのか

 2017年5月に会社が発足して、まずは人が集まる中心的な場所が必要ではとなり、そしてそれにはやはり蓼科湖でしょうとなりました。蓼科観光やビーナスラインの核として、この周辺にお店などを誘致したり、情報を発信したりしていこうとなったんです。
いろんな調査をしていると、蓼科に食事処が少ないという声が多かったのでレストランなどの誘致が最優先だとなりました。
 それでまず始めにできたのが「蓼科牛ITTOU」さんです。単に焼肉屋としてではなく、蓼科牛を楽しめるおしゃれなバル&レストランといったような感じですね。
同時に蓼科湖の向こう側には「HYTTER」さんがオープン。こちらは老舗の旅館をリノベーションして、一人旅やアウトドア志向の家族連れとかに泊まっていただけるようキャンプ場を持った宿泊施設となりました。この2店が最初ですね。
同時に進めていた道の駅「ビーナスライン蓼科湖」には、季節ごとの地元の特産物を使ったアイスクリームのお店「蓼科アイス」さんが、湖の対岸には大手アパレル会社が運営する「タイニーガーデン」さんがオープンしました。こちらは宿泊のほかにワーケーションや企業の研修ができるような施設です。さらにはアパレルブランドとしての強みを生かした「エカル」そういうブランドができました。登山やキャンプといった活動的な人たち向けの商品をここから発信していくという新しい取り組みも始まっています。

 「ITTOU」さんと「蓼科アイス」さんの設計などはイマージさんにお願いしましたね。それぞれ違ったコンセプトでかなりこだわりがありましたんで非常に大変だったと思います。でもおかげさまで思った通りのお店ができてきたと思います。本当にありがとうございます。

賑わいを取り戻しつつある蓼科、そして未来へ

 以前の蓼科は冬はもちろん春先や秋なんかも閑散としていました。でも最近では冬でも車が停まっているし夏は溢れるほどになっています。
蓼科を含む八ヶ岳西麓には観光資源が非常にたくさんある。ですが今はまだそれらが点としてあるだけで線としてつながっていないんですよね。この蓼科湖畔を中心としてそれらをつなげる役目をやっていきたいと思うんです。

 この蓼科湖は標高が1230m。山の分類としては低山帯で、人が住むこともできる環境のよい場所です。山に囲まれた湖でこれほど過ごしやすい場所というのは非常に少ないんですよ。岸辺でキャンプをしても楽しいし、コーヒーを飲んでもいい、ぼーっとしていてもベンチに座って本を読んでいるだけでも楽しい。これからはそういうコンセプトや環境的なものが求められると思っています。
また最近は値段が高くてもいいものや、地元の人と一緒にできる体験などを求める人が増えてきました。そういうものを求める人たちが楽しめる自然を活用したショップやアクテビティ、コロナ明けには外国の方にもきていただけるような準備を進めています。

I N F O R M A T I O N

帰ってきた蓼科株式会社

〒391-0301 長野県茅野市北山4035

Tel. 0266-67-2111  Fax.0266-75-2777


インタビューの様子は動画でもご覧いただけます。

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“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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