幼馴染と故郷、そしてハチミツ

[VOL.13]
国産生はちみつ専門店
「ACACA 」アカシア
小林侑香さん・小池波佳里 さん

TEXT BY TANAKA YUKIKO


PROLOGUE

2022年12月。八ヶ岳山麓で採れた生ハチミツを販売する「ACACA」が誕生した。はじめたのは、茅野市出身で保育園時代からの幼馴染という2人、小林侑香さんと小池波佳里さん。それまで全く畑違いの道を歩んできた彼女たちがどうしてハチミツと出会ったのか。また親友同士でビジネスを始める覚悟とは。かつての2人が毎日おしゃべりをしたという秘密の場所でお話を伺った。


地元で待っていたハチとの出会い

小林:ここで毎日暗くなるまで喋ってたよね。懐かしいね! 
小池:本当だね〜。こんなに木がうっそうとしてたかな?
小林:私たちは保育園から高校までずっと同じで、高校卒業後はそれぞれの進学で離れましたけど、ずっと親友なんです。
小池:私は大学進学でここを出るときから地元に戻ってきたいという気持ちがあって、卒業後はこちらに帰ってきて銀行に勤めました。
小林:私は東京でブライダル衣装のコーディネーターとして働いていましたが、結婚して4年くらい前に家族でこちらに戻ってきました。

小池:3年ほど前に一度、夫の知り合いから「ハチを分けてあげる」という話があって、ふと侑香と一緒にやったら楽しいんじゃないかって思ったんです。でもそのときは話が流れてしまった。その頃の私たちは仕事と育児の両立に疲れていて、もう少しうまく両立できる働き方がないかと探っていたところだったんです。
小林:そうしたら去年、今度は私の遠い親戚から養蜂をやってみないかと声をかけてもらったんです。今度こそ!と思って見学に行きましたが、簡単にできるようになる仕事ではないことはすぐわかりました。でも声をかけてくれた養蜂家の方が、養蜂が無理でもハチミツを販売するのをやってみたらどうかと提案してくれたんです。そうしてできたのが「ACACA」です。

親友とビジネスパートナー

Q:親友をビジネスパートナーに選ぶことに躊躇いはありませんでしたか?

小池:まず一人でやろうとは思いませんでしたし、侑香なら性格や思いを知っているからこその安心感があります。でも、親友とビジネスをやらない方がいいという声がたくさんあるんですよね(笑)。関係性が悪くなるのは絶対にいやなので、思ったことは溜め込まずにすぐ言おうと決めています。もともとなんでも話してきた間柄なので、ビジネスパートナーとしても絶対大丈夫という確信があるんです。
小林:私も一緒にやるならヒー(小池さん)だなっていうのがありました。価値観や考えが似ているし、状況や環境も似ている。立ち上げからここまでもちろんトラブルもありましたけど、その度に話をすると考えていることが本当に同じなんですよ。

思いを形にする家族の後押し

Q:親友をビジネスパートナーに選ぶことに躊躇いはありませんでしたか?

小林:そうはいっても家族に反対されたらできなかったと思います。その点夫たちがとても後押しをしてくれました。
小池:うちの夫は自分でも事業をやっていて、経営についてアドバイスをしてくれたりパッケージデザインをやってくれたりしています。
小池:うちの夫は子どもには母親が楽しんでいる姿を見ながら成長していってほしいという考えで、私たちが土日にイベント出店で出かけるフォローはもちろん、ACACAのホームページを作ってくれました。夫も総動員(笑)。どれも外注したらとてもお金がかかることですし、何より一緒に楽しんでくれるのでとても助かっています。

I N F O R M A T I O N

国産生はちみつ専門店
ACACA アカシア
www.acaca-honey.com

 

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“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

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いまより良くするもっと冴えたやり方。
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