笑顔で全力疾走。会社そして地域へ。

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.24

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

株式会社ヤマト 代表取締役 渡邊高志

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU   TEXT BY TANAKA YUKIKO


 1964年創業の株式会社ヤマトは、諏訪市にある製造加工の会社。どんな部品でも対応できる小ロット多品種の生産体制を整えています。2014年には全く新しい果汁絞り機カジュッタを開発。そんな勢いに乗るヤマトですが、社内体制の整備にも力を入れています。イマージでは2021年に社員食堂の改装をお手伝いさせていただきました。想像を覆すおしゃれな空間と遊び心たっぷりの仕掛けに込めた願いとは。会社を通して人や地域を見つめる2代目代表取締役渡邊高志さんにお話を伺いました。


製造業の荒波の中で

 当社は加工がメインの製造業です。いわゆるものづくりの会社ですね。
金属の切削加工を中心に、あらゆるタイプの切削加工ができます。昔は大量生産品を手がけていましたが、いまは1種類500個とか1000個とかの小ロット製品にも対応していて、1年間に約2300種類ほどの部品を生産しているんです。少量でも商品価値のある部品にシフトして、どんなものでも対応できる会社にしたいと思っています。

 創業は1964年、僕が社長に就任したのは2007年です。急な話だったので心構えも実力もない状態。その上1年後の2008年にリーマンショックで売り上げが60%減少してしまいました。
先が見えないと辞めていった従業員もいましたよ。僕自身も会社を変えようと色々しましたが、なにをやってもいまいち。結局自分自身が変わらないと社員も変わらないし、会社も変わるわけがないと気づいたんです。
まずは自分ごととして精一杯やらなければと、とりあえずトイレ掃除からやり始めました。自分以外を急には変えることはできないから、長い目でゆっくりいこうと。

部署の壁を超えてつながる小集団活動

 もともとグループを作って5Sパトロールとか改善提案などの活動をしていたんです。4年ほど前、全従業員がなにかしらの小集団活動をしたらどうかと思って、全員での活動を始めました。
ここでは自主性を大切にしています。例えば勉強会ではなんでも思いついたことを言っていい。でも相手を否定するようなことは言わないっていうルールが前提です。まだまだですけれど、少しずつ成果が出てきました。部署の壁を超えた活動は新鮮で、笑顔も生まれるんですよね。

カジュッタ誕生秘話

 僕はお酒を飲むのが好きなんですよ。飲むときにレモンやグレープフルーツを絞ることがあるでしょう? あれが面倒だし果肉もいっぱい残ってもったいないと思っていて、なんかいい果汁絞り機が作れないかなって考えていたときに、商工会の方から勧められて補助金の申請をしてみたら通ったんです。それで10か月後の「東京ギフトショー」までに試作機を作るという明確な目標が立ったわけだけど、プレッシャーでしたね(笑)。
でもなんとかお披露目にこぎつけたら、飲む人飲む人みんなが「なにこれすごい!」「めちゃくちゃおいしい!」っていう笑顔いっぱいの反応だったんですよ。これは絶対商品化しなきゃと思いました。その後改良を重ねて2014年に発売となったんです。今後は海外にも販売していく話が進んでいます。

新社員食堂「ヤマトバックス」に込めた願いとは

 ヤマトバックスが完成したのは2021年11月です。製造業って仕事中に人と話す機会が少ないんです。以前も食堂はありましたけど、みんな無言で食べてそのまま仕事に戻っていく。
もともと飲み会や集まりが多い会社だったんですが、このコロナ禍で全部中止になってしまいました。すると社員は家と会社の往復を繰り返すだけになってしまった。この状態はまだしばらく続くでしょうから、こういうときこそ交流できる場を作ろうという決断をしたんです。

 コロナ対策はもちろんですが、やるならいっそのこと某有名コーヒー店のようなおしゃれな空間にしようと思っていました。諏訪湖に面した部分は一人ずつそちらを向いて食べられるように。カウンターでは、ケータリングとか知り合いの飲食店を呼んでランチを出してもらったり、うちの会長が野菜を作るのが好きなんで、夏はサラダバーを用意できたりしたらいいなと考えています。ちょっと珍しいのは健康ゾーンを作って雲梯なんかを設置してもらったことですね。年とともにいろんなところが故障したり、腰が痛かったりしますよね。たとえ5分10分でも健康のことを考えて過ごしてほしいなと思って。器具はこれからも増えていく予定ですよ。

笑顔で全力疾走。会社そして地域へ

 ぼくの元気の秘訣は人の笑顔です。相手を笑顔にできるように、100%全力で挑むというのがテーマになってると思います。
今「SUWAKO8PEAKS MIDDLE TRIATHLON」という諏訪6市町村すべてを通るトライアスロン大会を企画していて、副事務局長をやっています。大会をきっかけに全国世界から人たちが集まる。将来的には年間を通した練習場としてもどんどん人がくるようにしたい。
諏訪地域一帯となって盛り上げることで、諏訪のブランド価値が上がっていくと思っています。会社もそうですけど、地域全体としてもみんなが生き生きとして暮らしていけるような仕掛けをしていきたいと思っています。

I N F O R M A T I O N

株式会社ヤマト 本社工場

〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り1-19-7

Tel.0266-58-1112

>“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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