都会と地方、二つの視点から考えるまちづくり
「帰ってきたくなる町」にするために

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.33

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

森ビル株式会社 都市開発本部 計画企画部 メディア企画部 参与
ダブルローカルプランナー 矢部 俊男
Toshio Yabe

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU   TEXT BY TANAKA YUKIKO


今回お話を伺ったのは六本木ヒルズで有名な森ビル株式会社 都市開発本部 計画企画部 メディア企画部 参与の矢部俊男さんです。矢部さんは現在東京で都市開発の仕事をする傍ら、茅野市の地方創生にも尽力しています。コロナ以前よりテレワークや2拠点生活を自ら実践し時代の最先端を歩いてきた矢部さんに、現在茅野市内で携わっている仕事について、そして茅野市の未来について伺いました。


2拠点生活、テレワークの先駆者として

北原ジャクソン友(以下、北原):矢部さんが茅野に来られたきっかけを教えてください。

小林貴明さん(以下:小林):現在も住民票は埼玉の家にあって、会社は東京にあります。蓼科のチェルトの森に家を持っていて2拠点生活をしています。
きっかけは阪神淡路大震災でした。当時、娘が生まれたばかりだったんですが、調査隊として入った現地で娘と同じくらいの年頃の子たちが寒い避難所で不安がって泣いている姿を目の当たりにしました。都市部で災害が起きるとこんなことになるんだと思って、もしこれが東京で起きたらどうなるかと考えたんです。僕には田舎がないということもあって、地方に居を構えることを考え始めました。
蓼科は高校生の頃天体観測をしにきたことがあって、大学生になってオートバイに乗るようになってからはツーリングでもよく訪れていました。他にも縁が重なって、自然災害が少なく、縄文時代から人が住んでいる歴史もある。そして東京からそこそこの時間と距離でこられるということで決めました。

人間は同じところにずっといると頭が固くなると思うんです。旅行というより定期的に移動をする方がいいと思っています。昔は車で行き来していて、中央高速に乗って甲府盆地が見えて来ると頭が切り替わる感じがしましたね。こちらにくると豊かな自然に癒されてリフレッシュもできます。あまり近い場所だとダメなんですが、2時間ほどの距離を移動して滞在することで、頭の中を切り替える感覚は、20年くらい前から感じていました。

北原:矢部さんはコロナ禍以前からテレワークを実践されていましたね。

矢部:もともとできれば会社に行きたくない、満員電車に乗りたくない人間なんです。一方で2015年にgoogleさんの研修に同行させてもらってシリコンバレーに行ってきました。そのときにこれからはGmailやチャット、zoomを使って仕事をするのが当たり前になるんだよと見せられて、なるほどと思ったんです。
それからチェルトの森の家にISDNを引き、ADSLを引き、光を引きと、いろいろ実験をしました。

「あったらいい」を町の中に構築する

矢部:茅野市のまちづくりに関わり始めたのもそのころです。柳平前茅野市長にここに都会を持ってきてくれなんて言われて、2019年にワークラボ八ヶ岳が誕生しました。当時はまだ茅野で「テレワーク」と言っても、ピンとくる人は少なかったと思います。でも駅直結のオフィスが持てるってすごいことなんですよ。実際にオープンと同時に稼働率100%。それが現在まで続いています。
普通オフィスを作ろうとすると、便利にするためにさまざまなお店を誘致するんですが、ここにはすでに郵便局や飲食店、薬屋、マッサージ店などがすでにありましたから、十分いけると思いました。

あと昨年から始まった「のらざあ」。これはViaというオンデマンド交通のシステムなんですが、これは非常に理に叶ったシステムです。ニューヨークでも採用されています。
公共交通があるというのはすごく大切なんですよ。男性はあまり意識していないと思うんですが、子どもの送迎を行うのはほとんど女性です。地方と都市部で比べると、地方の女性の方が2.2倍ほど送迎にかけている時間が多いというデータがあります。その差は都市部と地方の女性のキャリアの差に直結します。だから特に女性が都会に出て行ってしまうと思っているんです。

僕自身もここにオフィスがあれば会社に行かなくて済むんじゃないか、公共交通があれば会社からも正式に2拠点生活が認められて経費として落とせる、と。 自分があったらいいなと思うものを作っているとも言えます。

帰ってきたくなる町の魅力

北原:今後、茅野はどうなっていくと思いますか?

矢部:移住も大切ですけど、これからは出て行った人に帰ってきてもらうということを考えていった方がいいと思っています。移住政策には引いてみている人も、自分の子どもや孫が帰ってくるとなれば考え方が変わるでしょう。移住者に比べて帰還者というのは家族や親戚がいる、家や土地がある、情報も入りやすくてやはり優位なわけです。
いま茅野はかなりいいところにきてると思いますよ。スタートがかなり厳しかったというのもありますけれど、子どもを預けるところがある、高校生もいる、デジタル健康特区もとっていて、まちライブラリーができて、そして働く場所としてオフィスがここにある。
出ていった子たちが帰ってくる仕事や魅力を作る。その人たちがまた子どもを育てて、出ていってまた戻ってくるそんなサイクルができたらいいと思っています。

I N F O R M A T I O N

WORK LAB YATSUGATAKE
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“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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