祖父から父へ、そして息子へ託す。〈アニバーサリーチロルインタビュー〉

IMA-ZINE INTERVIEW VOL.17

元気なまちで、今(いま)を生きる、元気な人(じん)にインタビューするコーナー。

アニバーサリーチロル有限会社 代表取締役社長 高橋 幹彦

INTRVIEW WITH KITAHARA JACKSON YU


今回お伺いしたのは茅野駅西口弥生通り沿いにある「アニバーサリーチロル」さんです。

その前身は昭和28 年に創業した「東京パン」。その後洋菓子の製造、販売を開始し、「チロル」となりました。2008 年の茅野駅西口再開発事業を機に、現在の店舗を新築し、店名も現在の「アニバーサリーチロル」と変わります。1 階がショップで2 階がカフェというスタイルになり、イマージではその設計や店内家具の制作に携わらせていただきました。

時代の移ろいとともに姿を変える駅前にあって、この地でずっとお店を守ってきた「アニバーサリーチロル」。その思いと今後について、3代目の高橋幹彦さんにお話を伺いました。

パン屋から洋菓子店へ

イマージ北原(以下、北原) :オーナーの幹彦さんとは小学校からの同級生です。みきちゃんて呼んで、小さい頃からよく一緒に遊んでいました。お仕事も何度かご一緒したんですが、ここは道路整備事業で建物を建て替えることになったんでしたね。そのときに新しく「アニバーサリーチロル」となったわけです。アニバーサリーというと記念日という意味ですが、そこにかける思いはありますか?

チロル高橋さん(以下、高橋):こういう仕事ですので、毎年デコレーションケーキなどの注文をいただきます。アニバーサリーは毎年くるけれど、今年の、2021 年のアニバーサリーはその日しかない。そう思って毎年のアニバーサリーを大切にしてほしいという思いで付けました。おかげさまでいろいろな注文をいただいていて、大変な時期ですが、ウエディングケーキも毎週やらせていただいたりしています。

祖父から父へ、そして息子へ託す

高橋:私、3代目なんです。昭和28年におじいちゃんが始めてすぐ父親が継いで、その後私が継ぎました。来年の4月には、ありがたいことに次男輝樹がお嫁さんを連れて帰ってくる予定でおりますので、がんばって続けないとと思っています。

北原:そうすると4代目が決まったということですね? 今承継はなかなか難しい。特に飲食店とか商店は非常に厳しいなか、そこが決まるというのはすごいですね。

高橋:息子はテレビにも出たことのある川崎の有名なお店で、今、一生懸命製菓の修行をしています。だからがんばらないといけない。70周年に向けて、そして息子をどう宣伝しようと考えているところです。

北原:今茅野も若い人が入ってがんばっているので、その輪に入って地元にも貢献してもらえれば楽しくなりますね。

「東京パン」からケーキ屋さんになってずっと続いているわけですが、今はどうですか?

高橋:今はなかなか厳しいですね。うちの一番の売筋商品は「くるみかれん」というお菓子なんですが、観光客に買っていただくのがメインだったんです。でも今こういう時期なんで観光の方がいらっしゃらない。うちの売り上げも例年の4割5割以下というところで、正直大変です。早くコロナが収まってほしいです。

駅前に賑わいが戻るよう

橋:うちはずっと「ちの町」(茅野駅西口一帯の地名)でやっています。駅から近いのが一番の利点です。昔はたくさんのお店がありましたが、いろんなお店がなくなったり変わったりしました。少しでも「ちの町」、駅前を盛んにしなきゃいけないなと思っています。

今、若い人たちが中心になって新しいお店を作るという話もありますので非常に期待しています。やめたお店が多くなって空き店舗もあるんで、そういうところに少しでも入ってもらえたらありがたいですね。

北原:小さい頃から一緒に遊んでいる友だちが地元でがんばっているというのは非常にありがたいことですね。横浜から奥さんを迎えられて、子どもたちは勉強に行って、また奥さん連れて戻ってくる。幸せが増えていきますね。 高橋:そうですね、ありがたいです。次男は製菓学校に行ってくれて、僕はケーキ屋になるんだと言ってくれたのにはすごくほっとしました。長男も市役所にお世話になっているので、地元に貢献できているんじゃないでしょうか。

お菓子にこめる地元愛とともに100年続くお店に

高橋:茅野市にはいろんな商品があります。茅野・原村の八ヶ岳西麓はそばの栽培面積が長野県で1位なんですよ。寒天は松木寒天さんの寒天、みそは丸井伊藤商店さん、山高味噌さん、日本酒は諏訪の横笛さん。茅野市玉川で栽培されているセロリは筋がないのでそのまま生で食べられる。本当にいいものがいっぱいあるんです。

最近では茅野市笹原でエゴマを生産していて、エゴマを使った商品を作ってくれないかというお話をいただきました。

茅野って大好きだし、素晴らしいところだと思っています。地元のものにこだわって、地元を大事にして、商品を作っていきたいと思っています。

次男が帰ってきて、4代目になる予定です。今、本当にがんばってくれていますんでこれから先もこのお店を大事にしてもらって、5代目6代目…それこそ80年100年とアニバーサリーチロルを続けていってもらいたいと心から願っています。

I N F O R M A T I O N

アニバーサリーチロル

〒391-0001 長野県茅野市ちの7015

Tel 0266-72-2547 Fax 0266-72-1555

www.anniversary-tirol.jp

店舗営業時間:9:30~19:00 定休日:毎週月曜日 駐車場あり


インタビューの様子は動画でもご覧いただけます。

IIMA-ZINE interview vol.17_アニバーサリーチロル有限会社 代表取締役社長 高橋 幹彦
>“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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