信州はもう秋へと突入。◯◯の秋、学びの秋|理論的なマーケティングに触れてみる。

JACKSON IMAZINE REPORT Vol.17

弊社、代表取締役社長 北原ジャクソン友(通称:ジャクソン)が日頃から感じる様々な出来事や、数多くのセミナーを参加して感じたことなど、ワクワクする情報を毎月皆さんにシェアしていくコーナーです!

TEXT BY  KITAHARA JACKSON YU


 2021年夏、みなさんいかがお過ごしでしたか?? 飲食観光業の1番の掻き入れ時と言っても過言ではない、夏休み・お盆も新型コロナウイルスの急速拡大で緊急事態宣言の延長、そして全国的な大雨。この諏訪地域でも災害が相次ぎ、あってはならない最悪の災害も起こってしまいました。どの業種も例年の売り上げには程遠い、残念なシーズンになってしまったのではないでしょうか。ワクチンも普及してきているのにも関わらず、これだけの蔓延拡大で、一体いつになったら“あの”生活を取り戻せるのかと考えてしまいますね。ここまで長引いてしまうとは、去年の夏は全く考えていませんでした。来年には夏祭りもできるし、花火大会も旅行も! なんて思っていたのですが…。明るい話題も本当に少なく、暗くなってしまいがちではあると思いますが、これからは秋のシーズンです。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、旅行の秋、というように、過ごしやすい季節だからこその“ニーズ”も出てくるかと思います。これらを捉えて、今のこの状況を打破していくことを考えてみましょう!

 これからもコロナと付き合うしかない中で、自分たちのビジネスはどう変える? どう変わる? についてたびたび触れてきましたが、マーケティングを考えていく上で知っておいた方が有利?! な有名な理論があるので、今月はそちらをご紹介したいと思います。

マーケティングには欠かせない『イノベーター理論』

 “イノベーター理論”とは、消費者を5つに分類することにより、新しい商品やサービスである「イノベーション」がどのように市場に普及していくかを提唱した理論です。アメリカ・スタンフォード大学の教授エベレット・M・ロジャースの著書『イノベーションの普及』のなかで提唱しています。新しいサービスや商品、ライフスタイルや考え方などがどのように世の中に浸透し、どのような価値観を持った人に受け入れられていくのかを、消費者を商品購入態度から新商品購入の早い順番に5つのグループへと分類しながら説明しています。

イノベーター理論における消費者の5つの分類についてさらに詳しく見てみると…

01. イノベーター -革新者-

イノベーター(革新者)は、「新しさ」を重視する人たちで消費者全体の2.5%を占めるとされています。革新的な商品を誰よりも早く購入することに幸福感を感じます。

ただし重視するのはあくまでも“新しさ”そのものであるために、商品の良し悪しやベネフィットなどについてはそれほど問題にはしない傾向です。

02. アーリーアダプター -初期採用者-

 アーリーアダプター(初期採用者)は、流行に敏感で、情報収集を積極的に行い、自分の判断で商品やサービスを購入します。市場全体の13.5%を占めるとされています。アーリーアダプターは、新しい商品やサービスを購入しますが、イノベーターのように単にそれらが新しいからではなく、商品やサービスの「ベネフィット」に着目し、新たな“ベネフィット”があるかどうかが購入判断の基準です。また、アーリーアダプターは、情報を積極的に発信し、アーリーマジョリティやレイトマジョリティに対する影響力が大きいことも特徴で、「オピニオンリーダー」や「インフルエンサー」などと呼ばれるひとは、このアーリーアダプターが多いようです。そのため新商品や新店舗はこのアーリーアダプターに受け入れられるかどうかが、成功させるためのカギともされています。

03. アーリーマジョリティ -前期追随者-

 アーリーマジョリティ(前期追随者)は、新しい商品やサービスを購入することに比較的慎重なタイプで、全体の34%を占めるとされています。「流行に乗り遅れたくない」「置いていかれたくない…」と思っていて、平均より早く新しいものを取り入れる層の人たちです。また、アーリーアダプターの影響を強く受ける傾向があることから、市場全体へ浸透する橋渡しとなる役目もあります。

04. レイトマジョリティ -後期追随者-

 レイトマジョリティ(後期追随者)は、新しいものを採用することに消極的であり、まわりの動向を注意深く伺い、採用している人が半数を超えると確信すると採用を検討する層で、全体の34%を占めるとされます。別名「フォロワーズ」とも呼ばれます。

05. ラガード -遅滞者-

 ラガード(遅滞者)は、もっとも保守的な人たちで、全体の16%を占めるとされます。新しいものに対して関心がまったくなく、むしろ「新しいものは受け入れたくない」と考えます。「伝統主義者」と訳されることもあり、新しいものが伝統・文化といえるものになるまで採用を検討しない人たちと言われています。

イノベーター理論と切っては切れない“キャズム理論”

 上でお伝えしたように、イノベーター理論では、市場の16%にあたるイノベーターとアーリーアダプターに受け入れられることが、市場に浸透するカギだと言われていました。それに対してキャズム理論では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間は大きな溝「キャズム」が存在し、アーリーアダプターに受け入れられただけでは、市場の大多数である「マジョリティ」(アーリーマジョリティ+レイトマジョリティ)は受け入れないことがあると言われている理論です。イノベーターとアーリーアダプターに新しい商品やサービスを受け入れてもらうには“目新しさ”が大切です。

一方アーリーマジョリティに関しては、「大勢の人が使っている安心感」が購入の背中を押すと言われています。イノベーター⇨アーリーアダプターの16%の人たちが使っているだけでは安心を得る材料にはならず、利用決定に至らない。市場において大きく成長させるためにはアーリーマジョリティの獲得は非常に大切で、その獲得のためには、新しいだけでなく「使いやすさ」や「安心感」「実証されたベネフィット(価値)」をアピールすることが重要です。

 これら5つの分類を見ていただいて、皆さんはどこに分類されますか? 私はアーリーアダプターのつもりでいるアーリーマジョリティなのかなーと思っております。

というのも、私自身は新商品や新サービスは気になる方で、どんどん試してみようと思う反面「失敗したくない」思いがとても強く、気になっても一度躊躇してしまいます。気になり出したら自分で調べて調べて、失敗の可能性がないと確信できたら、購入利用に行動を移しています。

 あなたのお客様、そしてご家族、社員さん、取引業者さんを思い出して、この5つにぜひ当てはめてみてください。そうすることで、あなたの商品やサービスが今どんな人にウケて、どう響いているのかを考えるきっかけになってもらえれば幸いです。

最後に。。。

 今や当たり前になったiPhoneや各種SNS(FB、instagram、TikTok)や、Amazonや楽天といったECショップ、そして多様な決済システムなどの流行り方を考えてみると、このイノベーター理論の流れを確実に辿ってきていると実感できますよね。一部から火がつき始めて大衆一般化する。また、先ごろ急速に流行った音声SNS“clubhouse”も短期間でこの流れを一気に辿ったように考えられます。私たちのように地域内で活動している中小企業ではこのような、大きな流れはないにしても、“ごく一部の人から火をつけて広めていく”。というイノベーター理論の流れをイメージすることは大切ではないでしょうか。そして、キャズムを乗り越えるための“質”をきちんと考えていくことで、マジョリティに受け入れられ、より安定した商売に繋がっていく。ぜひご自身のご商売を“この流れ”で捉えてみていただければと思います。

 来月号を書くときには、このコロナが少しでも終息していることを願って終わりたいと思います! 今月もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。アディオス!

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>“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

“いま”を生きる人へ。“いま”の生きた情報を。

生きているといろんなことがある。
嬉しかったり。悲しかったり。
失恋の夜が明けたかと思えば、ひとめ惚れの朝が来たり。
成功したあとには、 失敗ばかりの日々が続いたり。
あんなに前向きだった気分も、
ふとした拍子にやんなっちゃったり。

いつだってぼくらは、
泣いて笑って、走って転んで汗まみれ。

でも、そのたんび、
いまより良くするもっと冴えたやり方。
いまから始まるバラ色の近未来。
いましか望めない遠い風景。
考えて、思いえがいて、考えて。

考えることは生きること。ぼくらはいまを考える。
そう、ぼくらは“いまを生きる人”なんだ。

そんな、イマジンたちに贈ります。

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